アクセス
小杉湯原宿さんは、原宿の新名物「ハラカド」のB1Fに入居しています。
最寄駅は副都心線の明治神宮前原宿。
4番出口を出ると徒歩0秒!既にハラカドの目の前です。
小杉湯原宿さんはB1Fですので、奥のエスカレーターでB1Fへ下りましょう。
もう一つ。帰りに気づいたのですが、実は7番出口の方が更に近いかも。
上の写真の矢印に従ってハラカドに入ると、入口に小杉湯原宿の暖簾が!
いずれの出口からもハラカドの地下に下りれば小杉湯原宿さんに到着します。
ハラカドB1Fには待合せやコワーキングに使えそうなフリースペースもあり、湯上り後もゆったり寛げそうです。
営業許可上の謎
さて、今回、本レポートを銭湯編の番外編と位置づけましたが、1号店の高円寺「小杉湯」さんは東京浴場組合の銭湯ですし、当然2号店の原宿でも銭湯での開店を目指していたそうです。ところが条例で銭湯(一般公衆浴場または普通公衆浴場)の基準を満たさず、その他公衆浴場(スーパー銭湯や日帰り温泉)での許可取りとなったそうです。その基準というのが地下にあるからという事なのだそうです。しかし都内にも地下にある銭湯は幾つか現存しますし、なぜ今回はNGだったのか?その法律の側面を見てみる事にしたところ、何とも曖昧な解釈が存在したからです。
(※法律の条文や解釈で長い為、興味のない方は読み飛ばして頂いて結構です)
まず建物の法律の基礎となる建築基準法を紐解くと以下の通りでした。
(居室の採光及び換気)
第二十八条 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この限りでない。
2居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
3別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
ここまでは地階であっても十分な換気設備があれば、特例で認められるようです。
次に厚生労働省が定める「公衆浴場法」では、以下の通りでした。
第三条 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。
2前項の措置の基準については、都道府県が条例で、これを定める。
これに対して東京都条例では以下の通りとなっています。
第三条 法第三条第二項の規定による条例で定める措置の基準のうち、普通公衆浴場の営業者が講じなければならない措置の基準は、次のとおりとする。
一 下足場、脱衣室、浴室、便所、廊下その他入浴者が直接利用する場所は、床面において二十ルクス以上の照度を有するようにすること。
二十 脱衣室及び浴室には、採光のための設備を設けること。
二十一 脱衣室及び浴室には、室内を適温に保つために必要な設備を設けること。
二十二 脱衣室及び浴室には、換気のための開口部又は換気に必要な機械設備を設けること。
更に小杉湯原宿さんがある渋谷区の公衆浴場条例は以下を参照しました。
yokujo_tebiki.pdf (city.shibuya.tokyo.jp)
ココまで一貫して、法の条文や条例には、銭湯は地下で営業してはならないとの表現は一つも出て来ないのです。
更に色々調べてみたところ、江東区の「公衆浴場の構造・衛生管理の基準と手続き」で遂に以下の記述を発見しました。
(1)普通公衆浴場 浴室・脱衣室 共通事項
④採光のための設備を設ける。 原則として、自然採光を設ける。 条4-1-24
r4_yokujou_pamphlet.pdf (koto.lg.jp)
ところがこの資料によれば、江東区公衆浴場法施工条例第4条1項(24)には、
(24) 脱衣室及び浴室には、採光のための設備を設けること。とあるのみで、『原則として、自然採光を~』の記述はどこにもなく、手引きに恣意的に付記されたものです。更に同手引きの(2)その他の公衆浴場の浴室・脱衣室 共通事項には、
④換気のための開口部又は換気に必要な機械設備を設ける。
とあり、『原則として、自然採光を~』の記述はやはりどこにもないのです。
※ちなみに渋谷区にも似たような手引きがありましたが、どこにも『自然採光』の記述はありません。
詰まり、銭湯は地下で営業する場合は、自然採光の窓がないと営業許可しないというのは、行政側のかなり恣意的な解釈によるものだと考える事が出来るのです。
ですので、本ブログでは、本来、法的な営業区分ではスーパー銭湯編のカテゴリに分類するべきところを、今回はあえて銭湯編の番外として分類させて頂きました。
【入浴日】2024/8/14
さて、条文解釈が随分長くなってしまいましたが、話を小杉湯原宿さんに戻します。
開放的なロビーの中央にフロント式の受付があり、左手に男女浴室があります。
それでは早速、受付を済ませて浴室へ参ります。
浴室は実にコンパクト!センターカランと壁側併せてカランが9か所。
浴室正面には、銭湯絵師 中島盛夫氏による定番の富士山のペンキ絵。
浴槽は名物ミルク風呂(40℃)とあつ湯薬湯(44℃)と水風呂(17℃)の3つ。
洗い場には国産の木桶や椅子の採用等、老舗銭湯らしいこだわりも感じられます。
まずは沐浴で全身お清めを済ませ、早速お風呂へライド温♨
まずは名物ミルク風呂の滑らかな湯を堪能し、続いてあつ湯薬湯へ。
この日は薄緑色のドクダミ刻みの湯で、天然のドクダミを刻んだ薬袋が湯船に吊るされており、爽やかな生薬の香りでシャキッと温まります。
この日は水風呂との温冷交互浴も楽しみ、サッパリしたところで上がりました。
コンパクトな浴室で、場所柄入れ替わり立ち替わり入浴客が訪れますので、ココは長湯せずサッと温まってパッと上がる江戸っ子スタイルが粋な入り方かも。
毎月おふろカレンダーでイベント湯も公開していらっしゃいますので好みの湯を見つけて行ってみるのも良いかも知れませんね。
湯上り後の「カヌレとアイス」
さて、帰りに7番出口側に出たところで「カヌレとアイス」を発見。
これはもう頂くしかないでしょう。という事で、
マンゴーアイスに塩キャラメル&ディープショコラのカヌレトッピングw
本日も良い湯、美味しい湯上りアイスをありが湯ございました。
原宿方面へお立ち寄りの際は是非♪
※浴室内は撮影不可の為、施設にご了承頂き、Googleのオーナー提供写真より拝借しております。